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福岡地方裁判所 昭和43年(わ)178号 判決 1969年1月22日

本店所在地

北九州市戸畑区夜宮町一丁目五番地一四

会社名

河内建設株式会社

右代表者代表取締役

河内岩蔵

本籍

愛媛県伊予郡中山町大字中山寅三九七番地

住居

北九州市戸畑区夜宮町一丁目五番号一四

会社役員

河内岩蔵

大正七年一二月五日生

右被告人両名に対する法人税法違反被告事件について、当裁判所は次のとおり判決する。

主文

被告人河内岩蔵を懲役一〇月に、被告人河内建設株式会社を罰金一〇〇万円に処する。

被告人河内岩蔵に対し、この裁判確定の日から三年間その刑の執行を猶予する。

理由

(罰となるべき事実)

被告人河内建設株式会社は、北九州市戸畑区夜宮町一丁目五番地一四に本店を置き、土木建設を業とするもの、被告人河内岩蔵は、右会社の代表取締役として同会社の業務を統轄しているものであるが、被告人河内岩蔵は同会社の業務に関して法人税を免れようと企て、昭和三九年五月一日から昭和四〇年四月三〇日までの事業年度における同会社の所得金額は三三、二八七、九二二円で、これに対する法人税額は一一、六四九、六三〇円であつたにもかかわらず、架空の労務費を計上して同会社の所得の一部を秘匿し、昭和四〇年六月二九日所轄八幡祝務署長に対し、右事業年度の所得金額は一三、九一五、二七四円で、これに対する法人税額は四、四九三、〇二〇円である旨の虚偽の確定申告書を提出し、もつて不正の行為により右差額法人税七、一五六、六一〇円を免れたものである。

(証拠の標目)

一、被告人河内岩蔵の当公判廷における供述

一、被告人河内岩蔵(二通)、秋山順、上田要および河内慶子の検察官に対する各供述調書

一、大蔵事務官作成の河内勇、河内慶子(昭和四一年三月二四日付、同年五月一四日付、同年八月二九日付)、秋山順(昭和四一年八月二〇日付)、潟岡稔夫(昭和四一年三月一六日付、同月一七日付)および大石啓一に対する各質問てん末書

一、菊地清茂、石塚利治、桃井忠雄、秋山順外一名、河内慶子(二通)、加来幸雄(四通)、藤井博昭、古賀英嗣、川本節雄および福島安成各作成の上申書

一、武久欽司(昭和四一年六月八日付のうち諸預金の明細に関するもの、同月九日付、同月一〇日付)、大家邦彦(記号番号積てた三八七六六のもの)、松川実雄(昭和四一年五月一三日付)、福住寛治および福岡銀行戸畑支店各作成の証明書

一、上田要および秋山順(昭和三九年五月一日から昭和四〇年四月三〇日までの事業年度分)各作成の「架空労労務費に関する上申書」と題する書面

一、被告人河内岩蔵および河内慶子各作成の延納申請写(昭和三九年確定のもの)

一、上野義基作成の納税証明書

一、岡田明作成の「固定資産税収納状況証明書の提出について」と題する書面

一、三和銀行境北支店作成の「福局査査(二)第二二号照会に関する回答」と題する書面

一、被告人河内岩蔵作成の嘆願書

一、押収してある所得金額法人税額の確定申告書一通(昭和四三年押九八号の五二、三八年度本社総勘定元帳一冊(同号の二一)、三九年度本社総勘定元帳一冊(同号の二四)、登記済権利証書一通(同号の三七)、昭和三九年分配当および剰余金の分配の支払調書一枚(同号の四四)、昭和四〇年分配当および剰余金の分配の支払調書一枚(同号の四五)、会計伝票綴三冊(同号の五四ないし五六)

(法令の適用)

被告人河内岩蔵の判示所為は法人税法一五九条一項に該当するので、所定刑中懲役刑を選択し、その所定刑期の範囲内で同被告人を懲役一〇月に処することとするが、情状により刑法二五条一項を適用してこの裁判確定の日から三年間その刑の執行を猶予し、被告人河内建設株式会社については、代表者である被告人河内岩蔵が被告人河内建設株式会社の業務に関して判示所為をなしたのであるから法人税法一六四条一項、一五九条一項に該当するので、その所定刑期の範囲内で同被告人を罰金一〇〇万円に処することとする。

よつて、主文のとおり判決する。

検察官吉岡卓出席

(裁判長裁判官 真庭春夫 裁判官 富田郁郎 裁判官 白井博文)

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